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海外建設事情

BUILDING PLAN SUBMISSION  (建築計画申請)

建物を新築・増改築する際は洋の東西を問わず、どこの国でも必ず所管行政に建築計画の申請手続が必要になります。
日本で言えば代表的なものが各都道府県知事への申請となる「建築確認申請」になります。もちろん此処マレーシアでも同様の申請が必要ですが、その手続きに関するフローや期間などは少々日本の確認申請とは違ってきます。

今回はマレーシアの 建築計画申請:Building Plan Submission (通称BP申請)について解説してみます。

◆マレーシアの建築申請の流れ

マレーシア国内で建築を行う場合、日本と同様に建築計画申請の手続きを行う必要があり、一般的に以下1~8の流れで行います。
日本とマレーシアにおいて、申請手続き・図書名称は異なりますが、全体の流れは類似しています。また、工事着工までにかかる期間は、BP申請から3か月程度が一般的です。

  1. 土地売買契約/引渡し  SALES AND PURCHASE AGREEMENT(SPA)/HANDOVER
  2. 開発申請及び承認   DEVELOPMENT ORDER SUBMISSION & PERMISSION(DO申請)
  3. 建築計画申請及び許可 BUILDING PLAN SUBMISSION & APPROVAL (BP申請)
  4. 各省庁許可      SUB-DIVISION APPROVAL
  5. 工事着工承認     BUILDING COMMENCEMENT PERMISSION
  6. 建築完了証      CERTIFICATE OF PRACTICAL COMPLETION(CPC)
  7. 役所検査       AUTHORITY INSPECTION
  8. 完了及び法準拠の証明 CERTIFICATE OF COMPLETION & COMPLIANCE(CCC)

2.jpg

◆BP申請とは

BP申請とは、日本で言うところの建築確認申請に該当し、各自治体の建築課によって、LAWS OF MALAYSIA UNIFORM BUILDING BY-LAWS(通称UBBL:日本の建築基準法にあたる法律)に準拠しているか審査されます。

1.BP申請書類の種類

必要な申請書類は一般的に以下(1)~(3)になります。アーキテクト、エンジニア(以下コンサルタント)が作成し、申請を行います。

(1)申請図書
まずは申請図書ですが、用意する図面は配置図、平面図、立面図、断面図、詳細図などになります。

(2)チェックリスト
次にチェックリストです。チェックリストは BP 申請の際に、アーキテクトが確認した内容を One Stop Center(以下OSC)がチェックするための書類で、以下の項目があります。

  • 提出図面の図面基準PLAN REQUIREMENTS - [by-law 8(1)]
  • 図面表記ルールPLANS FOR ALTERATION WORKS - [by-law 10]
  • 図面記載表記基準NOTE IN THE DRAWINGS: 
  • 設計基準のチェックREGULATION [by-laws 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39 or 40]
  • 消防避難経路のチェック(避難経路・距離・階段・避難アクセス)BOMBA PASSIVE
  • 関連部署書面及びレターSUPPORTING DOCUMENTS REQUIRED

(3)Form AもしくはForm B
最後にFormと言われる書面です。FormにはA~Gまでありますが、BP申請時に提出するのは新築工事の場合がForm A、増改築工事の場合Form Bとなります。
Form C以降は着工時、完了時など随時提出していきます。

  • Form A: CERTIFICATE OF BUILDINGS/STRUCTURAL PLANS
    これは、C&Sコンサルタントが作成する書面で、新築の構造設計について法規遵守している事を記載します。

  • Form B: CERTIFICATE OF STRUCTURE
    これは、C&Sコンサルタントが作成する書面で、既存建物の調査、解析、安全性を確認した旨を記載します。増改築の場合に用いられます。

3.jpg※図版:From A書面

2.一般的に必要となるコンサルタント

  • アーキテクト:BP申請の窓口。敷地基本計画、平面計画を作成し、Superintendent Officer(設計監理者:以下S.O)としての役割を果たします。
  • C&Sコンサルタント(土木・構造設計者):敷地内外の公共施設整備、構造設計が必要な図面を作成します。
  • M&Eコンサルタント(設備設計者):敷地内外の電気・給排水・電話等の設備インフラ条件及び消防申請用設備図面を作成します。

3.BP申請の流れについて

アーキテクトはBP申請を行うために、OSCと呼ばれる地方自治体窓口にオンライン申請をし、申請後、書類をOSCへ提出します。
次に、地方自治体の建築課が内容を確認し、関連部署にコメントを求めます。関連部署は建築内容をチェックし、コメントを建築課にフィードバックします。フィードバック内容は、毎月1~2回程度役所内で開かれる建築承認員会で審議されます。

特に指摘が無ければ承認されますが、指摘があれば申請書類の修正を行い、承認されるまで再申請をします。

1.jpg

最終的に、議会承認・許可・各省庁許可の取得後、工事着手届を提出し、工事着工承認を取得します。これにより工事を行うことが出来ます。

◆まとめ

かつてマレーシアでは、DO申請(開発申請)はPlanning Department、BP申請(建築計画申請)はBuilding Departmentと各部署が別々に審査を行っていたことから非常に煩雑でしたが、2007年のOSC設立により手続きが簡略化されました。
しかし、マレーシアは各州によって申請書類への指導内容・申請手続きが異なり、日本に比べ不透明な点も多くあります。

東マレーシアと西マレーシアは同じ国内でも大きく異なり、ひとつの例として、西マレーシアのアーキテクトは東マレーシアの設計申請が出来ないことも挙げられます。

申請スケジュールは、事業の稼働時期に大きく影響します。各州の指導・申請の特性を正しく理解し、最短でスケジュールを組むことで、事業を早期に稼働することができます。

例えば、ある州では、申請期間を短くするために、DO申請、BP申請を同時に申請する手法などもあります。
BP建築計画申請に限らず、各種申請業務においてどのように進めたらよいのか、少しでも不安、煩雑さを感じることがありましたら、マレーシアの建設事情に詳しい専門家にご相談することをお勧めします。


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