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「発注者は移動せずプロジェクトを推進させる」リモートマネジメントを海外建設プロジェクトで行うために必要なこと

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◆新型コロナ感染症(COVID-19)パンデミックは、これまでの海外プロジェクトの進め方を変える?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、多くの企業活動に影響を与えました。海外渡航制限、需要の変化、サプライチェーンの見直し、ビジネスプランの再考が必要になった企業様も多いのではないでしょうか。この影響は、海外建設プロジェクトマネジメント業界も同様であり、当社としてもマネジメントのやり方について、大きな変換が求められています。

今回は、『建設投資を行い、ビジネスチャンスをつかみたい』けれども、直接的に事業主様が現場に行くことが出来ないコロナ禍において、「発注者は移動せずにプロジェクトを推進させる」そのためのリモートでのマネジメントの在り方についてお話をしていきたいと思います。

◆オフライン・マネジメントからオンライン・リモートマネジメントへ

新型コロナウイス流行前までのプロジェクトマネジメントの在り方を思い返してみます。

当社を含め、多くの企業様は、打合わせを行う時、事務所での打ち合わせ、つまりオフラインのコミュニケーションを大切にしていたように思います。プロジェクトマネジャーも、現場に足を運び、自身の目で課題を発見し、関係者と協議・交渉をし、プロジェクトを推進してきました。
事業主様においても出張ベースで現場へ足を運び、週例・月例、現場巡回などによって管理を行ってきたと思います。当然、コロナ禍以前もオンライン会議を行っていましたが、遠方同士の特殊なコミュニケーションツールとして捉えられていたように思います。

しかし、現在では、直接会うことは感染のリスクとなりました。
新型コロナウイルスの流行はオンライン会議の利用を急速に押し上げ、いまでは参加者の移動制限を受けない効率的なコミュニケーションツールとなっています。

その一方で、課題も見えてきました。それは、オンラインを活用したWEB会議に置き換わっていくなかで、現場から得られる情報量の不足と不確実性です。どうしてもWEB会議や電話、メール、写真や書類だけでは建築という現場でのモノづくりを管理するには情報が足りないのです。

いま、海外におけるプロジェクトマネジメントが直面していることは、WEB会議システム等を利用するオンライン・リモートマネジメントでいかにオフライン・コミュニケーション以上の成果を生むことが出来るようにするのか、その『しくみ』が求められています。

◆プロジェクトマネジメントをオン/オフの業務に仕分け、リモートマネジメントで出来る事を考える

あらためてプロジェクトマネジメントの仕事を俯瞰し、どの業務でリモートマネジメントが可能かどうか、当社内で議論し、整理してみました。
結果は、下記の図のように、多くの業務がオンラインでも実施できることがわかりました。

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建設工事段階以外においては、上の図のように多くの業務がオンラインでも実施できることがわかりました。
このようにオン/オフの業務仕分けを事前に明確にしておくことで、コロナ禍でも計画的に、効率的に、リモートマネジメントを実行できます。

一方、オフラインでしか実施できない業務が浮かび上がってきました。敷地や建物に関連する調査・検査業務です。
基本計画段階で土地情報を正確に読み取るためには、敷地調査会社などの現地担当者を介在させる事で対応できます。したがって、考えるべきは建設工事段階をどのように進めるかです。

◆建設工事段階のリモートマネジメントの可能性と課題を考えてみる

つぎに実際のプロジェクト事例を参考にした、建設工事段階でのリモートマネジメントの可能性と課題についてのパターンを取り上げます。

リモートマネジメント・パターン1

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このパターンでの解決策は、B国で事業主の代理人となるプロジェクトマネジメント会社を採用する事が一つの解決策です。

このパターンは、コロナ禍以前においても海外進出を予定している他国拠点の事業主様と当社のような海外に拠点あるマネジメント会社との間で行われてきた業務体制です。今までの経験から以下のような可能性を挙げることができます。

  1. 情報透明性○
    B国にいるプロジェクトマネジャーは、プロジェクト計画地での情報を的確に把握し、A国にいる事業主と透明性をもって情報共有できる。

  2. 情報確実性○
    B国にいるプロジェクトマネジャーは土地インフラ状況等の調査や工事段階に現場状況を目で見て把握することができる。

  3. 管理レベル○
    B国にいるプロジェクトマネジャーが事業主と同じ目線を持つことでA国にいる事業主様は、B国にいる場合と同様にプロジェクトを実行することができる。

よって、事業主様は問題なく、プロジェクトを進められます。

リモートマネジメント・パターン2

4.jpg計画地C国に信頼できるプロジェクトマネジメント会社がないケースでの解決策は、B国からリモートで現地担当者(現地パートナー)を管理できるプロジェクトマネジメント会社を採用する事が一つの解決策です。
C国にいる現地担当者が正しい情報を吸い上げるしくみをB国のプロジェクトマネジャーが構築し、A国の事業主に報告する、これによりリモートマネジメント・パターン1と同様の成果を達成出来ます。

パターン1とパターン2の共通課題

郊外の現場からのオンライン会議はインターネット環境が悪い場合、ウエブカメラどころか、パソコンの画面共有、音声共有も難しく、リアルタイムのリモートマネジメントが非常に困難となる可能性があります。通信インフラの未熟なエリアでは、現場事務所の環境づくりも課題であるため、事前の調査が必要です。

以上のようなリモートマネジメントのパターンを通じて、アフターコロナの時代においても「発注者は移動せずプロジェクトを推進する」、「現地のプロジェクトマネジメント会社、もしくは現地担当者(現地パートナー)を活用しプロジェクトを推進する」ことで、建設投資を行うことは可能となると考えています。

◆まとめ

新型コロナウイルス感染症よって受けた社会的な影響は大きく、今後もどのようになっていくか予測不能です。そして、パンデミックが変えた社会は、コロナ禍以前まで当たり前に行われてきた「オフライン」での活動に「オン」と「オフ」といった選択を強いるようになりました。

しかし、企業活動として必要なプロジェクトを動かし、与えられた状況の中でリスクを回避しながらマネジメントしていくことを避けることはできません。

今回ご紹介した具体的な事例にもあるように、新しいリモートマネジメントの可能性と課題が明らかになってきました。当社としても課題を検証しながら、コロナ禍での海外プロジェクト実行について、事業主様が少しでも前向きになり、新しい未来を作り出すことにつながることを切に思っております。

急ぎ、コロナ禍でのプロジェクトの進め方についてお悩みの方のご相談を 随時受け付けております。


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