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海外建設事情

インドネシアにおける建設用地取得方法

ジャカルタ地図(外務省より)

製造業や輸送業などをアセアン地域で展開する企業様の中には、土地や建物を取得したいが "どのように手続きを進めればよいのか" 、 "どのような土地を選べばよいのか" がわからず、悩まれる方も多いのではないでしょうか。

特に、アセアン経済を牽引する巨大マーケットを持つインドネシアへ進出する企業は益々増加していますが、外国人の不動産所有形態に関する規制が、数年ごとに変更される土地取得に関する手続きは、不透明な点が多くあり悩まれている方が多くいると思います。

そこで今回は、インドネシアにおける建設用地取得方法についてを解説します。

◆土地の購入はできるのか?

土地の所有権は、インドネシア国籍を所有する個人の権利であり、外国人は土地を購入することはできません。これはインドネシアの政策によるものです。

外国人は現地にて法人を設立し、以下の権利を利用することで、特定期間中にインドネシアの土地を使用できます。

  1. 事業権(HGU:Hak Guna Usaha)
    農業用・水産及び畜産用の権利。原則は最長25年認められ、さらに25年の延長が可能。企業や事業によって長期間必要であれば最長35年のHGUが認められる場合がある。

  2. 建設権(HGB:Hak Guna Bangunan)
    土地の上に建物を建設しそれ所有する権利。所有者のいない土地に最長30年まで建物を建設し所有できる権利。最長20年間延長可能。

  3. 使用権(HP: Hak Pakai)
    国が直接管理する土地、または権限のある当局によって権利を認める決定もしくは土地利用契約に規定された権利と義務を付与する者が所有する土地で、法の精神と条項に抵触しない限り、それを利用し、生産物を収穫する権利。

インドネシア投資調整庁日本事務所(BKPM):「インドネシアの基本情報:土地所有権」より引用

したがって、インドネシアに進出する多くの日系企業は、建設権を取得し計画を進めることになります。

◆どんな土地を選ぶべきか?

結論から言うと、企業様にとって最適な建設用地選定方法は、「工業団地を運営するデベロッパーから、建設用途に適うエリアの区画を購入する」ことです。

※補足:ここでの工業団地とは、デベロッパーによって開発された大都市近郊の新都市であり、産業地区(インダストリアル・エステート)を中心として、行政機関、金融、教育、医療施設、住宅地、商業地、スポーツ施設などの都市機能をもつエリアのこと。

1.なぜ工業団地なのか?

インドネシアでは、以下の理由から既存都市内での再開発事業や、山林を切り拓いて新しく造成地に建設する事業計画は困難となります。

  1. 再開発事業は、権利関係が複雑であり、権利書の内容が実際と異なる等、その真偽も不明確なため、土地取得が困難となる場合があります。
  2. 造成事業は、政府や地権者との繋がり、不動産開発の知識、業務に対応できる現地専門家(口利き)が必要となります。
  3. インドネシア政府は、製造業施設の建設用地を工業団地内に限定しています。

したがって、一般的に、外国企業は政府との開発協議を経て整備された工業団地内の土地を選定することが多くなります。

2.ジャカルタ近郊の工業団地

工業団地はどのようなものがあるのでしょうか。

工業団地は、大手財閥単独あるいは日系大手商社と共同出資し運営をしています。
国の総合計画に基づく開発許可を受け、政府とデベロッパーの間で土地用途や規制、権利関係が予め明確に定義されています。ジャカルタ近郊では、MM2100、DELTAMAS(GIIC)、KIIC、SRYACIPTAといった工業団地などは日系商社が運営に関わっており、ローカル主体のものはLIPPO CIKARANG、JABABEKAなどが挙げられます。

mm2100.jpgMM2100 INDUSTRIAL TOWN

ジャカルタ周辺エリアの工業団地

(出展:インドネシア投資調整庁日本事務所(BKPM):工業団地資料より抜粋)

1.jpgクリックで拡大

◆土地取得までの流れ

先に工業団地は、国の総合計画に基づく開発許可を受けていることを説明しましたが、政府が各エリアへ個別に事業許可を出すため、建設用地取得や建設のフローは、各工業団地で異なります。よって、土地選定時には、各工業団地の特徴の把握、施設コンセプトが実現可能かの確認、運用規定を踏まえた建設用地の比較検討が必要です。

事前に把握すべき建設用地選定のポイントおよびフローは下記のとおりです。

f.jpg

1)土地選定時:施設配置計画に影響のある周辺環境・インフラの確認
設計・建設段階で問題が発生しないよう、下記内容を確認する必要があります。ここで要件を確認しない場合、最悪プロジェクトが中断してしまうので注意が必要です。

  • 周辺環境
  • 河川や池・沼、造成前の地籍
  • 高低差
  • インフラ(電気・ガス・上下水道、工業廃水施設など)
  • 緑化エリアや都市計画上の規制、セットバック
  • 建蔽率、容積率、高さ制限等
  • 法的要件

2)土地選定後:建設用地取得や建設のフロー
土地選定後、購入予約・前払い金の支払い、土地証書作成官による土地権利書の確認、土地売買契約、土地代の支払い、さらに不動産譲渡証書作成を経て建設権(HGB)を取得できます。
また、インドネシアの特徴的な建築申請手続きのフローとして、土地代の支払いが完了すると建築許可(IMB)や環境申請(UKL/UPL)の許認可申請の手続きが可能になり、建設工事の手続きへと進んでいきます。

◆まとめ

インドネシアでの土地取得は、不動産会社から紹介いただく方法が一般的です。しかし、複数の候補地から工業団地の特性を理解し、最適な建設用地を選定、早期にプロジェクトのリスクを排除するためには、土地取得だけでなく、設計・入札・建設段階を見越して検討できる専門家を活用することをお勧めいたします。

特に、現地でのマネジメント実績のあるプロジェクト・マネジメント会社を活用することで、プロジェクト全体を最後まで見据えたリスクマネジメントとコスト削減、スケジュール短縮が可能です。

これからインドネシア事業をスタートされる皆様には、工業団地や敷地固有の特徴を理解した上で、建設用地選定の段階から最善の選択をして頂きたいと思います。

参考


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