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海外建設事情

東ヨーロッパ・セルビアでの経済情勢と建設事情の調査

2019年10月21日、安倍晋三内閣総理大臣は訪日中のアナ・ブルナビッチ・セルビア共和国首相との首脳会談を行いました。東ヨーロッパに位置し、2016年より、EU加盟を目指し順調に改革を進めるセルビアとの関係は日本の経済にとっても、非常に重要なものとなってきております。

1.jpg安倍総理大臣とブルナビッチ・セルビア首相との会談(外務省NEWS

私達は、日本とセルビアの関係が良好な状況下、セルビアへの投資をご計画されている当社のクライアントの要望もあり、現地での調査を行いました。

◆セルビアについて

セルビア共和国(Republic of Serbia)について

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セルビアは、ヨーロッパの南東、バルカン半島に位置する内陸国です。面積は77,474平方キロメートルであり、北海道の大きさと同じくらいになります。全人口712万人の内、およそ23%の164万人が首都ベオグラードに暮らしています。

現在のセルビアは、1991年からのユーゴ解体の中で、2008年にコソボの独立宣言を迎え、現在EU加盟交渉を行っております。公用語はセルビア語ですが,ハンガリー語も多く使われています。もちろんビジネスの場面においては、英語での会話が可能です。
街並みはとてもきれいで、イスラム教が普及し飲食に制限のあるマレーシアとは違い肉料理が多くアルコールも比較的お安くいただける国です。

3.jpg◆セルビアの経済状況について

セルビアの経済成長率について

2010年に起こった欧州債務危機による影響は、EU加盟国のみならず隣国のセルビアにも大きな影を落とし、経済は深刻な打撃を受けました。しかし現在は、危機以前のレベルまで経済は回復し、緩やかな成長を見せ始めています。

2017年には単年度で財政黒字化を達成するまでに至りました。
また、IMF統計の報告によれば、2018年度の国民総生産(GDP)は50,509百万USDで193か国中86番目に位置しています。

セルビアでは現在、国営企業の民営化,民間企業の成長と競争力強化などの民間セクター開発が検討されています。

最近では、中国からの投資が増進し、それにより特に道路や鉄道といったインフラ整備が盛んとなっています。
また在留邦人数は現在、200名弱であり、進出企業としては日本たばこインターナショナル,パナソニック、矢崎総業、ハイレックス、関西ペイント、前川製作所、TOYO TIRE(2022年予定)などが挙げられます。今後日本からの新規投資はさらに進むと予測され、二国間の経済関係が一層強化されると見込まれます。

参考:日本企業のためのセルビア投資 - 在セルビア日本国大使館

◆セルビアの建設業界、建設の特徴

セルビアに進出している日系建設会社は?

日本企業のセルビアへの投資は、前述した既進出企業のように現地の労働力に期待する製造業を中心とした業態です。そこで気になるのは、製造業の工場建設に係わる日系ゼネコンの動向です。

当社調べによると、現在日系ゼネコンで現地に拠点を構えている会社はありませんでした。そのため、こちらで建設を行う場合、日系のセルビア近郊に拠点のあるゼネコンが出張ベースで工事を遂行するか、現地のローカルゼネコンに直接依頼することになります。

しかし、日系ゼネコンの場合でも、実際には現地のローカルゼネコンが下請けとなり工場建設を担うことになることから、現地のローカルゼネコンによる建設事情を理解し、深くコミュニケーションをとることが大切となってきます。

セルビアの建設技術について

今回の調査では、現地のローカルゼネコンによる建設現場を視察することが出来ました。
構造体の骨格となる柱・梁は、予め工場で生産し現場で組み立てを行うプレキャストコンクリートを採用し、外壁はアルミ製断熱パネル、 内壁は基本的に乾式間仕切を使用しており、防火壁であっても鉄筋コンクリート造やブロック造ではなく乾式間仕切が使用されていました。

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この様に、セルビアでは工業化製品を多く取り入れることで工場生産による品質の向上と生産効率の均一化が図られていました。
また、現場内での湿式工事を少なくすることで粉塵が少なく、現場内外もとてもきれいで、品質・安全の管理レベルは、想像していたものよりも高く、私が普段目にしているマレーシアの現場と比較し、高い建設技術力があると感じました。

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一方で、屋上防水やサッシ周りの納まり等については、日本の技術と比較すると雑な点も見られ、漏水発生の恐れのある施工状態も多くみられました。
やはり水周り関係については、漏水による瑕疵を未然に防ぐために、設計図の確認、モックアップの作成、現場施工状況の確認、品質確認検査の実施を行うなどを行い、現地の建設慣習を理解して、セルビアの建設技術を紐解くことが大切であると感じました。

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◆セルビアでのプロジェクトマネジメント

繰り返しになりますが、経済改革や財政健全化が進展するセルビアに進出する日系企業は、今後ますます多くなるのではないかと想定できます。
 本調査においては、当社も東ヨーロッパの経済の流れや、現地での建設事情、慣習に直接触れることができました。またセルビアの建設技術は、現場内の整理整頓清掃清潔に対する考え方に始まり、工業化された製品を採用することで、マレーシアを中心としたアセアン諸国と比べ高いことを確認することができました。

私達は今後もクライアントのご要望に応えるため、東南アジア圏にとどまらず、グローバルの域を拡張して参りたいと考えています。


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