マレーシアの建築構造について

5月 14, 2014

日本の建築現場を見慣れた方がマレーシアの建設現場を見た感想の多くは

“柱細いなあ~”ではないでしょうか。理由の一つは地震の影響が少ない事でしょう。

こんな結論で私も納得していたのですが
先日、コンドミニアムの概算見積書をチェックしていた時に気付いた点がありました。

小梁の数量が見当たらないので、もしやと図面を見ると構造図面には小梁が無い。
積算をしたQuantity Surveyor(積算士)に問い合わせると特に問題ないとの事。
実際、近くのコンドミニアムの現場を見ると確かに構造小梁がなく、床スラブが厚め。

RCラーメン構造と思っていたのが、よく見ると柱と梁で構成されたアーチ型の積層構造であり、
構造的なシンプルさゆえにコルビジェのドミノシステムを彷彿とさせます。
用途により構造設計手法も荷重設定も違うでしょうがコンドミニアムの場合、天井内部の
設備工事がしやすく、設計自由性や作業効率が高くなります。構造設計上、柱を意図的に細く
している可能性があります。

しかし、この合理的な設計も構造図面通り施工できなければ価値がありません。
現場でコストダウンと称して現場にて設計変更を行い、むやみに床配筋の数量、断面厚、
材料変更が変われば大変危険な状況になります。

実際マレーシアでは意匠図、構造図、設備図、品質を図面通り施工させる為に、建築家、
構造技術者、設備設計会社、積算士のそれぞれから管理者を現場に派遣するなど対策を施し
設計品質を維持するのに苦労しています。
反面、結果として建築工事の5%以上を各技術者の現場管理費のみに費やし、日本から見ると
管理コスト高となるケースがあります。この点、コンストラクション・マネジメントにより
管理コストを低く抑える余地があるのではと思われます。

我々プラスPMは海外の設計手法を取り入れ、お客様の立場に立った日本のコンストラクション
マネジメント手法を提供する企業です。

マレーシアでの工場、ナーシングホーム建設、企業進出の御相談を承っています。
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